リアル牧場物語 in 北海道

ボラバイトとして2ヶ月間(9週間)北海道の牧場で働きました。その振り返りです。

牧場でどんな仕事をしたのか?は note - マガジン にまとめています。

きっかけ

今年、オランダへワーホリする予定だったんだけど、コロナの影響で行けず。でもワーホリを調べてたときに牧場等でボランティアをしてる人もいるという情報を知り、牧場の仕事って面白そうだなぁと興味を持ったのがきっかけ。あと感覚的なことだけど、近頃「よく分からないけど動物に触れたい願望」が強まってる気がしてて、もともと苦手だった動物が可愛いと思えるようになったり、サファリパークでゾウやキリンに触れるようになったり。なので牧場に行こうと思えました。

牧場の選び方

以下の3つを条件に入れて検索しました。時期もあったのか私の場合は2件しかマッチせず、1日の休み時間が長い(まとまった時間取れる)牧場を選びました。
牧場の仕事〜1日のスケジュール〜

  • 個室あり
  • Wi-Fi あり
  • 3食付き

個室

個室という表現でなんとなく部屋の中に自分専用のトイレとお風呂もついてるイメージでしたが、私の場合はコロナ自粛の影響もあり1ヶ月間はトイレとお風呂が付いている部屋で、後半の1ヶ月はトイレとお風呂が歩いて10秒ほどの母家のものを共有で使う形でした。確かにこれも個室だけどさぁ…という気持ちになりましたし、トイレが遠いことで無意識に水分を飲むのを抑えてしまい脱水症状になったりして辛かったです。もちろん相部屋よりかはマシですが、想像と違った部屋でストレスを感じました。

Wi-Fi

Wi-Fi はとても弱くてパソコンでチャットする分には問題なかったですが、Zoom でテレビ電話することは難しかったです。また、スマホWi-Fi 自体が勝手に切れてしまうほど弱かったので、スマホはほとんど Wi-Fi を使うことができませんでした。自宅で使っているような速度にストレスない回線は期待しないほうが良いのだと分かりました。

3食付

ご飯作るの好きじゃないし、仕事のあとにご飯を作るのは面倒だと思い3食付きにしました。ご飯はとても美味しかったですが、1つだけど盲点で…それは食事は毎回、牧場の家族とアルバイトメンバー全員で食べる必要があるということです。そのため毎回、牧場のお父さんの話に相槌を打ち、牧場のお母さんの料理に美味しいと言い、ほぼ接待をしてる気分でした。私はそういうリアクションを息を吸うようにできるタイプではないので苦痛でした。また、「いただきます」は牧場のお父さんが仕事終わるまで待ったり、片付けも全員食べ終わってから一斉に行うので一回の食事に時間がかかるのも辛かったです。住み込みだけど1人の時間を確保するためにも、もう3食付きにはしたくないです。

次働くときに持っていきたいもの

  • 筋肉痛緩和の薬
    慣れない肉体仕事を少しでも緩和するためにあると良いです。
  • 胃腸薬
    肉体仕事が過酷だと全身疲労し内臓にも疲労が溜まり、普通のご飯も食べれなくなります。私は下痢にもなりました。そのためアルバイト期間分ぐらいの胃腸薬を持っていった方が良いです。

牧場の仕事〜体調〜

知識

牛の胃は4つ

牛は一度胃に入れたものを口に戻して、奥歯で噛んでを繰り返すことで繊維の多い植物を消化するそうで。人間の胃と同じような働きをするのは最後の胃だけだそうです。
第42号・反芻動物(はんすうどうぶつ)

牛の爪切りは人手

f:id:meikotan:20210524105126j:plain:w400
牛の爪切り

子牛は4,50キロある

かわいい。生まれたては毛がカピカピだけどだんだんサラサラになる。

f:id:meikotan:20210524105352j:plain:w200
生後1ヶ月ほど

農業従事者の平均年齢は60代後半

農業従事者の平均年齢は66.8歳。高齢化・人材不足・自給率低下など日本の農業問題解決のために注目を集める「アグリテック」とは?

感想

牧場の仕事はもちろん肉体労働で過酷でしたが、それ以上に人間関係で疲弊しました。例えば、この牧場では失敗があると怒って指導する文化やスピードを重視する文化があるので、常に焦りと緊張感がある状況が辛かったです。また、私の同僚は3年間の技能実習制度を使ってベトナムから働きに来ているメンバーで、短期で働く私には優しく、長期で働くベトナムメンバーには厳しかったり、明らかに人種によって態度を変える社員もいる状況(しかもその社員は家族の一員なので怒られない)で心苦しかったです。他に、田舎特有の閉鎖的な人間関係や家族経営の中で寝食を共にしたので、プライベートな時間が少なくどんどん笑えなくなりました。帰る前にベトナム人の同僚との社員の指導が辛いねって話をしたときは悲しくて悔しくて涙が出ました。

2ヶ月という短い間だったからこそ乗り越えられたものの、これ以上長く続けていれば心が折れていたかもしれません。(私の後に入った日本人のアルバイトは2週間で帰りました。)アルバイトに行く前はこれまで体験したことなかった牧場ライフをやってみよう!みたいな気分で来ましたが、働いてみて東京に住んでたら見えなかったものが沢山見えた気がします。いまは自分の無知と無力感でいっぱいですが何か私に出来ることをしていきたいと思いました。